Lifestyle Imagination
~New chapter~Vol.9 中野区・新井 Case study
人生の転機を迎えるたびに住み替える
暮らし方のヒント 第2章
文・製品セレクト 土橋陽子 / イラスト・越智あやこ / 企画：（株）PRエージェンシー
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before（住み替え前）
Vol.19 目黒区・目黒 Case study
30代前半の夫婦（夫は商社マン）と幼稚園に通う息子
住まいのスタイル： 1LDK 3人暮らし
after（住み替え後）
海外赴任から帰国後、息子の誕生をきっかけに妻の実家の沿線上でマンションを探していた30代の夫妻が選んだのは中目黒だった。区営施設も充実していて、近くには桜の名所もあり、自然豊かで子育てもしやすい環境のうえ、月に 1度はベビーシッターさんに預けて、近所のおいしいお店を恋人気分で巡るにも便利なエリアだった。ところが、子どもの小学校を決めるタイミングで、再び海外赴任の話が持ち上がった。家族揃って海外暮らしをするのか、どちらかの両親の近くに引っ越して単身赴任を選択するのか、じっくりと話し合って決めた。 結論としては夫の実家の近くである中野に住み替えることを選択。 妻の実家の近くも検討したものの、都内は18歳以下の医療費が無料というのが大きかった。保育園よりも帰宅時間の早い小学校低学年の息子に、近所で友達と自由に遊べる子ども時代を送らせてあげたいという二人の教育方針が一致したことと、孫の面倒を見てもらうことは親孝行であると同時に、妻の趣味の時間の確保にもつながる。引き戸を開けばリビングダイニングとつながる部屋と、プライベートを確保できる小さな部屋がある東向き角部屋の２LDKでの暮らしを見てみよう。
海外生活が長いと、なおさら日本にいる時は日本らしいものが恋しくなる。そんな2人が中目黒の家から持ってきた床座に近い低めのソファに合わせて“モダンジャパニーズスタイル”をキーワードにインテリアアイテムを選んだ。畳がなくともイグサの香りに癒されたい、障子はなくとも和紙をとおした柔らかな灯りに照らされたい。小さくてもいいからテラスで風鈴の音を感じたり、扇風機の風に声を震わせてみたり、そういった日本の夏らしさの記憶を息子にも伝えたい。日本の四季は、長い夏と冬の合間に短い秋と春が訪れる。季節に合わせてマットの素材をイグサのものからウールに変えたり、春にはリネンのクッションを置いたり、マンション暮らしでも軽やかに季節を感じられる暮らしを送りたい。なるべく、日本に昔からある自然素材のもので環境に配慮された企業のもの、そして亜熱帯化する日本でも快適に暮らせる高機能なものを選んだ。
アイテム１／天井照明
Moon-Pendant (M) ／ 谷口・青谷和紙
明かりをつけると、まるでお月様のようにポワンとまぁるく、優しく空間に浮かび上がる天井照明。継ぎ目なく均一に漉かれた自由曲線は、モダンなインテリアに映えるシンプルで美しいデザインだ。実は、そのお月様のような照明に出会ったのは、出張先のロサンゼルスにあるライフスタイルショップ。お店の方に尋ねると、鳥取県で作られているとのこと。伝統を受け継ぎながら、長年の研究の末に生み出された世界初の球状に漉き上げた和紙を用いた照明器具シリーズのひとつだという。材料である楮（こうぞ）の繊維を透かして見える灯りは、柔らかく温かで、なんとも言えない懐かしさを感じさせてくれる素材感。穏やかに造られ、自然や環境と共生するスローでサステナブルな和紙は、現代の感性ともマッチしていて、生活を豊かにしてくれる。
『Moon-Pendant (M) ／ W 350 × D 350 × H 273 (mm) ／ ￥62,590（税込）※ワイヤー吊タイプ ／ 谷口・青谷和紙』
アイテム２／ベッド
人類進化ベッド ／ イワタ
出張先の台湾の展示場で初めて見た、チンパンジーの寝床をモデルにしたというユニークな形状のベッド。試しに横たわってみると、踵が宙に浮く開放感とハンモックのような浮遊感、そして良質な羽根布団に包まれる感じがなんとも気持ちがいい。実は羽毛専用生地の開発に成功し、羽毛や天然繊維を扱う技術を磨き、さまざまな分野で特許や実用新案を取得している京都の老舗メーカーのアイテムと聞いて2度驚いたA氏。国産カラマツの風合いや、ゆりかごのように揺れる形状、一度寝たら忘れられない寝心地…。当初、小さなベッドルームいっぱいに設置することを反対していた妻も、ショールームで一度寝たら心を掴まれてしまったようだ。寝る角度によって変わる頭と足の高さのバランスにより、さまざまなくつろぎ方ができるのも妻の趣味の音声配信にもぴったりのようだ。角部屋の心地よさを満喫して過ごしてもらえて嬉しい反面、帰国時に自分の寝床として使わせてもらえるか気になっている、家族みんなが好きなベッドだ。
『人類進化ベッド01タイプ ／ ＜マット部＞ W 1150 × D 1600 × 200 (mm)、＜フレーム部＞ 天板：W 1150 × D 1600 × H 435 (mm)、脚部：W 1510 × D 1957 (mm)／ ￥473,000（税込）／ イワタ』
アイテム３／ 電動かき氷器
Toffy コンパクト電動ふわふわかき氷器 ／ LADONNA
コンパクトなのに、おうちで本格的な「かき氷屋さん気分」が味わえる電動かき氷器。流行りのかき氷屋さんを次々に並んで食べるほど、すっかり夢中になった“映える”ふわふわのかき氷。家でも食べられないものかと探していたところ、見た目も可愛いこのアイテムを見つけた。氷をセットしてボタンを押すだけの簡単操作で、付属の製氷パーツを使うことで2種類の味でツートンカラーのものや、4色のミックス氷も簡単に作れる。お皿を回しながら氷が削れる回転プレートで、盛り付けがよりきれいにできるのも本格的で心が躍る。冷凍フルーツや100%果汁ジュース、自家製の梅シロップ等を凍らせれば、冷たくて甘すぎないデザートを子どもが自分で作れるのもいい。小学生になると近所のお友達と遊びたがるようになった子どものために、家でヨーヨー釣りやかき氷屋さん、輪投げなど“お祭りごっこ”を計画している。子どもに将来の“地元の幼なじみ”を作ってあげるのにも、一役買ってくれている小さな働き者だ。
『Toffy コンパクト電動ふわふわかき氷器 ／ 約W 167 × H 312 × D 179 (mm) ／ ￥9,680（税込）／ LADONNA』
アイテム４／ラグ
IGUSA LABO 花ござ 外村吉之介 ／ ビームス
畳の部屋でゴロンと横になって感じる風や新しいイグサの香り。そんな感覚は、別荘でも持たないと味わえないものだと思っていた。ところが、家族旅行で訪れた倉敷で「花ござ」という民藝品の存在を知る。イグサの香りがして、軽くて、なかなかモダンな模様のものも多く、旅先の店で長いこと迷ったものの、嵩張るためその時はあきらめた。そんな折、都内のセレクトショップで見かけたのが、大きなドット模様の藍色の花ござ。聞けば、倉敷民藝館で館長を長く勤めていた外村吉之介氏による代表的な紋様「丸綾」というもので、同館に所蔵もされているデザインの復刻版とのこと。手持ちのソファにも、和紙の照明にもぴったりで、インテリアがグッとモダンジャパニーズになった。模様の力は大きい。くるくると丸めて、扇風機と一緒に家中で帰国した喜びを感じられる素晴らしいアイテムだ。
『IGUSA LABO 花ござ 外村吉之介 ／ 幅 約87 × 長さ 約200 (cm) ／ ￥17,600（税込） ／ ビームス』
アイテム５／遮熱レースカーテン
SHINE TWO（シャインツー） ／ クリエーション バウマン ジャパン
家の外の景色は楽しみたいが、午前中の日差しを部屋の中に取り込みたくはない。そういった時、どのような選択肢があるのだろう。高機能のブラインドをつけるとテラスに出る掃き出し窓の出入りが億劫になるし、息子がうまく操作できるかも不安だった。やはり、両開きのカーテンが欲しい。 そう考えていた折、家族で映画を観た帰りにたまたま通りかかったインテリアショップで「夏のカーテンフェア」のお知らせを目にした。気になって色々調べると、レースなのに遮熱する高機能で、シンプルなデザインが建築家に人気のスイスのブランドにたどり着いた。早速週末に青山のショールームでサンプルをいくつか見て、手持ちのソファとも合うシックな色味と質感のものをオーダーした。
『SHINE TWO（シャインツー）／ 生地幅：285 cm、組成：100% 難燃ポリエステル、重さ：100 g/㎡※5色展開 ／ ￥40,810/m（税込）／ クリエーション バウマン ジャパン』
文・製品セレクト 土橋陽子 / イラスト・越智あやこ / 企画：（株）PRエージェンシー
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