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街との出会い・発見

Vol.11 「虎ノ門」の暮らし

街との出会い・発見~「虎ノ門」の暮らし

後編:歴史が明日への活力を育む、新旧の魅力がつまった「虎ノ門」

「虎ノ門」は大使館や官公庁、弁護士事務所や企業の集まるビジネス街として発展してきた。治安もよく緑にあふれ、再開発が進行中でますます利便性と魅力が増す街。国の中枢を担う仕事でお互い忙しい日々を送る新婚カップルが日々の暮らしで気が付いたのは、「虎ノ門」は歴史のある街でもあるということ。おおきな時の流れを感じさせてくれる奥行きの深さも、この街の大きな魅力でもある。

外資系の一流ホテルのサービスや、新しいお店を楽しむことができる一方で、虎ノ門には歴史ある名店や名所が点在している。老舗和菓子屋で名物の豆大福を買って一緒に食べる時間や、登録有形文化財の蕎麦屋で美味しいものをいただくことは、重ねてきた歴史に想いを馳せることになる。時代がちがっても同じ味を楽しんだ人がいたことは、時に世知辛い世の中をほんの少し高い視座で捉え直すきっかけになる。
自分たちが未来に残したい文化はどのようなものだろうか?議論に発展して休日らしからぬ会話をすることも楽しんでくれるパートナーに会えるとは、A氏はこれまで考えたこともなかった。

出世階段で知られる「愛宕神社」も徒歩圏内にあり、緑生い茂る境内は心が落ちつく。多くのビジネスマンで混み合う初詣での時期を避けて、桜の時期に一人で登っていたA氏。花見を口実に出世階段を一緒に登る相手ができたことで、春の訪れが一層楽しみになった。季節とはかくも人生を豊かにしてくれるのか、と和菓子を買うようになって気が付くようになった。

仕事は楽しいことばかりでない。踏ん張りどころの場面で、高みを目指す強い心を取り戻したいときに、この階段を一緒に妻と登ったことを思い出すと不思議と頑張れる。楽しい思い出が自分を助けてくれると考えていたが、もしかしたら長い歴史の中でたくさんの人が同じ想いで登った階段という「土地のもつ力」でもあるのかもしれない。

どうしても仕事が終わらない週末は、歩いて行ける「日比谷図書文化館」に一緒に出かけるようにしている。アート系の雑誌や書籍の蔵書が豊富にそろっており、図書フロアの本を持ち込めるカフェも併設されている。調べ物もできれば、座席にはコンセントもあるのでPCを持ち込んで仕事もできる。仕事と休みの境界線を明確に分けた暮らしを送ることはままならなくても、独身時代の頃とは異なり心地よい環境を選ぶようになった。

弁護士としてのキャリアを積みながら海外進出を目指す飲食系企業の相談を通じ、知財に関する専門性を高めることに大きなやりがいを感じ始めた。海外からの来客をもてなす際に喜ばれるお店選びの視点は、パートナーと一緒に時間を過ごしたいかどうかという選定基準とも重なるところが多い。その逆で、お互いの仕事の接待等でよかったお店や場所に週末に夫婦で出かけることも増えた。

これまでの歴史を大切に、二人がそれぞれの仕事を通して作る未来。大きな時間の中に自分たちの足跡を重ねていける街「虎ノ門」で切磋琢磨しながら、共に生きていくことで今後どのような景色を見ることができるのだろうか?

緑豊かな都会の職住近接の理想形として、国の中枢を担う者が住みやすく訪れた人が楽しめる活気ある街としてこれからも「虎ノ門」は成長し続けるだろう。

文・土橋陽子 / 写真・森田純典 / イラスト・越智あやこ / 企画:(株)PR エージェンシー

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