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街との出会い・発見

Vol.4 「水天宮」の暮らし

街との出会い・発見~「水天宮」の暮らし

前編:利便性と下町の繋がりが魅力!現役CAママの暮らす街「水天宮」

現役CAとして忙しい日々を送るHさん(44歳 女性)は、小学校5年生になる男の子のママ。
不規則な出勤時間と子育ての両立を楽しみながら、忙しくも充実した日々を過ごしている。同期が結婚や出産を機に退職していくなか、Hさんは一度も仕事を辞めようと考えたことはなかった。

比較的早く結婚して家庭をもつ友人が多い地元の生活から抜け出すように上京し、憧れの職業についた。今まで出会ったことのないような人たちと接することができる毎日。行ったことのない場所に赴き、目にするもの口にするもの全てが刺激に溢れていた。それらを手放すくらいなら独身のままでもいいと公言していたHさん。その一方で地元の友人たちのSNSに溢れる子どもを囲んだ写真を見ては、自分らしく家庭と仕事を両立する方法をいつも探していた。

成田空港に1時間弱、羽田空港まで30分弱の直通バスがでる「東京シティエアターミナル」のある水天宮は、CAにも人気のある街。老舗の惣菜屋に甘味処なども軒を連ねる下町の風情が残る味わいぶかいエリアでもあり、東京に帰ってきた実感がわく。美味しいものを買ってから独身時代に住んでいた街に日比谷線一本で帰れる立地だったので親しみ深いエリアでもあった。そんな中継地点だと思っていた街「水天宮」でHさんが家族と暮らすようになってから、もう12年が経つ。

老舗飲食店だけでなく個性的なレストランやワインバーが増えつつある水天宮・人形町界隈。隣接するビジネス街にある大手企業のサラリーマンや士業を営む食通のエリートたちが、一人でふらりと訪れて店を横断しながら常連との交流を楽しんでいる。地元・人形町で会計事務所に勤める2歳年下のK氏もそのうちの一人だった。

美味しいものが好きなHさんは、仕事帰りに買い物をしているうちに新しいお店が増えていく様子に気がつくと、休みの日に一人で食べに行くようになった。K氏とは共通の行きつけの店でよく会う顔見知りという関係が長く続いていたある日、母親が入院しているため犬を散歩に連れて行くと言う彼に、酔い覚ましがてらついていった。

人形町通り方面から甘酒横丁を歩けばつきあたりには「浜町公園」が広がり、公園を抜けると隅田川の川沿いに出ることができる。川沿いにはドックランや眺めのいいベンチ、小さな子ども用の遊具のある公園にボール遊びもできるネットつきの公園など、老若男女地元の人たちが思い思いに過ごしていた。店先にある季節にちなんだ飾り付けや、犬連れ同士の人が交わす挨拶。

その親しみやすい雰囲気は、Hさんに長く帰っていない地元を思い出させた。「もしかしたらこの街でなら子どもを産んで家庭を持っても仕事も続けられるのではないだろうか?」そう考えるようになってからのHさんの決断は早く、逆プロポーズの末二人は結婚。K氏の実家にも会計事務所にも近い「水天宮」に住むことになった。

住むことになってから知ったのは町内会活動。街のいたるところに小さな祠や神社があり、夏祭りの際には町内会ごとに神輿を出す風習が続いている。その繋がりが地域の安全を保ち、世代をまたいで顔見知りになるきっかけになっている。

引っ越しした当初は町内会への誘いを煩わしく感じていたHさんだったが、「留守番中の子どもを多くの近所の方に見守ってもらえる基盤づくりになる」と、同世代のママ友が集まる地元のカフェで小耳に挟んでから考えを改めるようになった。産休と合わせて3年間とれる育児休暇の間、町内会の婦人会の活動に積極的に出て顔を覚えてもらうことに努めた。関わることで愛着が増し、息子の故郷を作っている喜びを感じるようになった。  

この近辺は夕方になるとスーツ姿で颯爽と電動自転車で子どものお迎えから帰ってくるワーキングマザーも多い。普段使いの食材を扱う店に高級食材を扱う店、異なる種類の24時間営業のスーパーが道路を挟んで向かい合い大きな駐輪場もある。そのため橋を渡って江東区から買い物に来る親子連れもいて、近くの高速高架下の公園は大勢の子どもたちの声で賑わっている。

Hさんの復帰は順調だった。独身時代には気がつかなかった細やかな気配りができるようになり、母親になったことで子連れ客の対応を頼られる場面も増え、仕事にますますやり甲斐を感じていた。休日には公園に出かけ息子と遊び、家では三世代で集まって季節の行事を楽しむ。会計士として忙しい日々を送るK氏との子育ては、時に義実家の手を借りながらもお互いに必死で時間をやりくりして、一緒に課題を乗り越えていくゲームのようでもあった。

ところがコロナ禍のフライトの急減で状況は一変する。小学校の休校で家にいる時間が長くなり体力を持て余す食べ盛りの息子のご飯を作る忙しさ、反抗期の息子を時刻通りに学習塾に送りだすことの難しさ、家にいなければ気がつくことのなかった思春期特有の気分の浮き沈みに息苦しさを感じ、忙しい夫とは息子との時間に感じる機微は共有できない。以前と変わらず仕事で忙しくしている夫に苛立ち、そんな自分を責める日々が続く。

そんなHさんを救ったのは、煩わしいと思っていた下町の繋がりと同じ境遇にあるかつての仕事仲間達だった。

文・土橋陽子 / 写真・森田純典 / 企画:(株)PR エージェンシー

後編:下町と先進の二面性を活かし
住宅地としても人気の高まる「水天宮」につづく