都内屈指のおしゃれタウン、中目黒。その人気を支えている一つに、駅前にある4つの商店街があげられます。一つは目黒川沿いの「中目黒駅前商店街」、二つ目は昔ながらの風情が残る「目黒銀座商店街」、三つ目は高架下を含む「中目黒駅西銀座商店街」、四つ目はビル内で便利な「中目黒GTプラザ商店会」。現地を歩いてまわり、それぞれの魅力をレポートします。
まずは駅の東側に広がる「中目黒駅前商店街」へ。山手通り桜並木が有名な目黒川沿いに広がる300mほどのエリアで、多彩な施設が集まっているのが特長です。毎年4月に行われる「中目黒桜まつり」には、区外からも多くの観光客が訪れます。
目黒川と蛇崩川の合流地点にある「合流点遊び場」では、春に「ナカメ音楽祭」、秋に「オータムフェスタ」という音楽イベントが開かれています。
LDHが運営するコーヒーショップ「AMAZING COFFEE 中目黒店」、フレンチトーストが名物の「LONCAFEスタンド中目黒」、シンガポール料理店「SLOWJAM GARAGE Singaporean cuisine」など気軽に立ち寄れる店から、鴨料理のコースをいただける隠れ家レストラン「鴨とワイン Na Camo guro」、イタリアン「リストランテ・カシーナ・カナミッラ」といった特別な日に行きたい店まで選択肢が豊富です。
チーズケーキ専門店「ヨハン本店」、プリン専門店「うれしいプリン屋さん マハカラ」、カステラの老舗「福砂屋 中目黒店」などスイーツ店も目立つ一方で、楽器修理専門店「中目黒弦楽器」、老舗の劇場「キンケロ・シアター」、近代日本画を所蔵する「郷さくら美術館」など文化や芸術にまつわる施設も多く見かけました。
他にも、リニューアルして若者にも人気の銭湯「光明泉」や苔玉が人気の観葉植物店「Green Scape」、最新機器をそろえた「中目黒リバーサイドデンタルクリニック」など、この界隈に住んでいたら通いたくなるようなスポットもあり、暮らしやすさも感じられました。外観から素敵な店ばかりで、歩いていて飽きないエリアです。
続いて訪れたのは、1953(昭和28)年からある「目黒銀座商店街」。東急東横線の南側にある蛇崩・伊勢脇通りに約900mほど続く道沿いには、個性あふれる170余りの専門店が並んでいます。中目黒らしいスタイリッシュなアパレルや雑貨の店だけでなく、昔ながらの八百屋、花屋、薬局なども元気なのが印象的。店頭で野菜を売るコンビニもあり、新旧が混ざり合った不思議な雰囲気が魅力です。人通りも多くて活気があります。
夏には目黒の風物詩となっている「中目黒夏まつり」の舞台に。例年8月初めに2日間行われ、それぞれ阿波踊りとよさこいが行われます。区外からも多くの団体が参加し、太鼓や笛の根が鳴り響く中を踊りながら商店街を練り歩く様子は必見です。冬にはクリスマスセールや「ハロウィンなかめオータムフェス」なども楽しめます。
多ジャンルの店が並ぶ中で特に印象に残ったのは、個性豊かな飲食店です。
例えば有機大豆のハンバーガーやグルテンフリーのケーキなどを食べられるヴィーガンカフェ「レインボーバードランデブー」、2種類のみのピザメニューで勝負するピザ屋「聖林館」、薬膳カレーや薬膳鍋を提供する「香食楽 (かくら)」、合成乳化剤不使用でヴィーガンメニューも充実したジェラート店「プレマルシェ・ジェラテリア&オルタナティブ・ジャンク」など。テーマやカラーがはっきりしている分だけこだわりが強く、それぞれ熱烈なファンがいることでしょう。
ビブグルマン受賞のシェフが腕を振るう古民家を改装したフレンチ「ビストロボレロ」、肉とワインがおいしい「中目黒グリル」、内装も素敵なメキシコ料理店「ジャンカデリック」、コースが人気のイタリアン「NAKAMEGURO GALERIA」」などレストランもたくさんあるので、さまざまなシーンで重宝しそうです。
ここでいったん駅に戻り、今度は東急東横線の北側に位置する「中目黒駅西銀座商店街」を歩いてみることに。並行する2本の通りから構成され、線路沿いの通りには2016年に「中目黒高架下」がオープンしています。
まずは昔からある通りをチェック。最も存在感があるのはスーパー「ライフ中目黒店」でしょう。食品だけでなく日用品もそろうので、連日多くの人で賑わっています。
ここを過ぎて居酒屋やコンビニも途切れると落ち着いた雰囲気になり、「いいづか耳鼻咽喉科」「中目黒駅前歯科」「中目黒診療所」などさまざまなクリニックが見えてきます。ビルの中にも頭痛専門外来を設ける「なかめぐろ神経外科・内科 頭痛クリニック」などが入っていて、実に頼りになりそうです。
道なりに進んで行くともう1本の通り、駅の西側から約700mにわたって延びる「中目黒高架下」にぶつかります。
串おでんが楽しめる「鶏だしおでん さもん 中目黒店」、鮮魚とワインの店「港町バル 高架下店」、アジフライが人気の「魚の店オカモ倶楽部」など、気軽に立ち寄れるオープンで洒落た居酒屋が軒を連ねています。やきとりやホルモンの店もあり、仕事帰りにに軽く一杯というときに重宝しそう♪ 一人でも入りやすい店が多いように感じました。
スペイン料理店「カルド中目黒」やステーキハウス「マロリーポークステーキ 中目黒」といったレストランもあります。2023年3月にオープンしたネパール茶葉専門店「chiyaba」も賑わっていましたよ。
最後にやって来たのは「中目黒ゲートタウン」内にある「中目黒GTプラザ商店会」。「中目黒ゲートタウン」は3棟のビルが地下の広場を囲むように建つ複合施設で、オフィス、マンション、図書館、ホールなどを備えた中目黒のランドマーク的な存在です。店舗はプラザ棟の低層階に集中。駅近で立ち寄りやすく、雨風や暑さ寒さをしのげる点が便利です。
地下のGTプラザ広場や1階のGTタワー前広場では、毎年11月中旬から年明けまで行われる光のイベント「あかりまつり」をはじめ、春の「GTスプリングゴスペルフェスタ」、5月の「くすの木まつり」、東京音楽大学のコンサートとビンゴゲーム大会で盛り上がる「オータムフェスティバル」など多くのイベントが行われています。
地下1階のGTプラザ広場を囲むように、東急ストアが展開する食品スーパー「プレッセ 中目黒店」、2023年9月リニューアルした「グリルバーガー&ローストチキンSASA」、「中目黒駅前図書館」、「スターバックスコーヒー」がぐるりと並んでいます。
1階の奥まったところには、手の込んだランチをリーズナブルにいただける「中目黒カフェ・デルソーレ」が、2階には自家製ピザが人気のベアードブルーイングの直営店「中目黒タップルーム」やすし割烹「すし文」などがあります。数は多くありませんが、人気店ばかりでハズレがないのがポイントですね。
初めて4エリアを意識して歩いてみて、それぞれの雰囲気の違いと店の多彩さに驚きました。こんな街に住んだら毎日買い物に出歩いてしまいそうです。