古くから“ものづくりの街”として栄えてきた蔵前。現在も「蔵前問屋街」や「蔵前商店街」、「おかず横丁」といった昔ながらの街並みを残しつつも、古い建物をリノベーションしたオシャレな店舗が続々と誕生しており、その様子は御徒町と合わせて「カチクラ」と呼ばれています。特に蔵前は隅田川が流れていることから「東京のブルックリン」とも言われており、散策スポットとしても人気です。というわけで今回は実際に現地へ歩いて、オススメのスポットをご紹介します!
まずは都営浅草線「蔵前」駅を後にし、国際通りを北上しながらカフェを巡ってみます。蔵前といえばカフェといわれるほど近年はその数が増えており、その代表とも言えるのが「ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前」です。倉庫をリノベーションしたカフェで味わえるチョコレートは、併設されたファクトリーで作られており、その工程を間近で見ることができます。
モダンな外観が目を引く「茶室 小雨」は、落ち着いた店内で様々なフレーバーティーや焼き菓子を堪能できるお茶専門店です。その近くの「Coffee Wrights 蔵前」はカフェとしての利用はもちろん、コーヒー豆売り場では試飲しながら豆を購入できます。静岡で100年以上続く茶農家の直営店「Nakamura Tea Life Store」で、完全無農薬・有機栽培の日本茶を購入するのもいいでしょう。
さらに北上すると、軒先で家族が楽しくお茶している「CAMERA」を発見。焼き菓子とオリジナルレザーグッズを提供するカフェで、フードメニューも用意されています。そこから少し進んだ先の「菓子屋シノノメ」では、人気のスコーンが買えるだけでなく、2階の「喫茶 半月」で極上スイーツも味わえます。
もちろん駅前や国際通り沿いには、カフェ以外にもショップがたくさんあります。「Maito Design Works 蔵前本店」では草木染の服などを販売しており、染め体験もできます。「REN 蔵前店」には日常使いできるレザーアイテムが揃い、「蔵前れとろま」にはブリキのバケツなどユニークな雑貨が並んでいます。
街歩き中に「マクレーン オールドバーガースタンド」で絶品ハンバーガーを食べたり、「デイリーズマフィン蔵前」でマフィンをテイクアウトするのも楽しいでしょう。
駅東側には「隅田川デッキ」が整備されており、スカイツリーを眺めながら散策を楽しめるほか、屋形船の船着場も設置されています。また、川近くにも古い建物をリノベーションした店舗が多くあり、たとえばホテル兼バーラウンジ「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE」は、300年続く老舗玩具会社の倉庫ビルを使用。1階ラウンジは8時から16時までカフェとしても利用可能で、ライブやポップアップイベントなども開催されています。
その隣の「結える 本店」も趣ある建物となっており、玄米定食や季節料理が味わえる人気店となっています。他にもクリエイター雑貨が並ぶ「NEWOLD STOCK」や、革製品専門店「KAWAMURA LEATHER」で、自分だけのお気に入りアイテムを探すのもオススメです。
駅西側の住宅街にも、様々な店舗が点在しています。「カキモリ」は“書く”にちなんだ有名文具店で、自分だけのオリジナルノートやインクも作れます。「蔵前街歩きリュック MESSAGE」には、その店名の通り街歩き専用のリュックが並んでおり、日本の職人が手仕事で作成したものなので品質も抜群です。
「doremifa」には、ドイツを中心にヨーロッパ各地の蚤の市で買い付けた古道具を並んでいるので、インテリア好きの方にぜひ足を運んでみてほしいショップです。可愛らしい毛糸専門店「Keito」や、マスキングテープ専門店「mt lab.」などで、珍しい品を見つけるのも楽しいでしょう。
まだまだ駅西側には紹介しきれないほど、気になる店舗があります。「自由丁」は“言葉”にまつわるサービスを提供するお店で、1年後の自分へ手紙を書くオリジナルレターセットや、一編の詩がセットになったドリンクなどが用意されています。また、店内の棚に並ぶ本と、自分が持参した本を交換できるシステムも面白いです。古民家をリノベーションしたカフェ「葉もれ日」では、世界各国のコーヒーや梅ソーダ、カレーなどを楽しめます。
その他にも、喫茶店とハンバーガーがコンセプトの「バーガー喫茶 チルトコ」や、ロングライフデザインを目指す古着・雑貨店「raul general store」も、足を運んでみて欲しいお店です。
駅から蔵前通りを西へ歩くと、「鳥越神社」が見えてきます。毎年6月の例大祭は多くの人で賑わい、江戸三大神輿である千貫神輿が練り歩きます。神社の近くの「おかず横丁」は、かつて家族で営む町工場が集まって食事の手間が省けるようにと惣菜を扱う店が並ぶようになった商店街。通りを歩けば下町の趣が残っており、昭和初期創業の惣菜店「入舟や 水上商店」や、江戸時代から続くお茶の老舗「老舗大佐和 鳥越店」などが今でも元気に営業しています。
そんな中、新たなお店やリニューアルされたお店も並んでいます。「つばめ工房」は草木染めで糸を染め、手織りの布を織っている工房で、ショップとギャラリーも併設しています。昭和初期創業の和菓子店「港家」は、近年コンクリート打ちっぱなしのお洒落な建物にリニューアルし、夏にはかき氷が人気。お肉屋さんだった「浅草鳥越おかず横丁 松屋」は、土曜日だけの焼豚専門店として生まれ変わり、多くの人に愛されています。
いかがだったでしょう。このように、蔵前は様々な店舗に出会える素敵な街となっていました!